コタ(COTA)株を全売却しました。サロン専売品の「安全地帯」が消えた日と、次への投資戦略。

こんにちは、“お金の保育士”こぱんだです🐼
今日はちょっと悲しいお話を。


目次

🏘️壁の中の小さな町

お金ちゃんたちは、壁の中の小さな町で暮らしていました。

コタという、素敵なお店で。
町のライバルたちと切磋琢磨しながら、平和に暮らしていました。

お店の人は、毎年、友達を連れてきてくれました。
お店の人から貰ったものを売って稼ぐ人もいました。

壁の外には怖い巨人が沢山いました。
でも、壁が守ってくれていたから、中にいる限りは安全でした。

幸せな日々でした。

でも、ある日—

巨人が、壁を越えてきたのです。

町は、戦場になりました。

もう、友達も増やせない。
働くこともできない。

お金ちゃんたちは、不安になりました。
「ここ、もう安全じゃない…」

保育士として、私は決断しました。

「みんなを、避難させよう」


長年持っていた コタ(COTA) の株を、ついに手放しました。
これは、その記録です。


🪞好きで買った銘柄だった

私がコタ株を買った理由は、単純。
もともと コタのシャンプーが好きだった からです。

市販では出せないクオリティ。
香り、使い心地、仕上がり、本当に好きでした。

そして何より、株主優待でその製品を毎年もらえるなんて最高。
以前は頻繁に株式分割してくれていたので、お得感も感じていました。

毎年届くたびに「この株を売ることはない」と思っていました。
だからこそ、売却を決めたのは悲しかった。


🧴市場環境の激変。市販品の進化とインフレの圧力

ここ数年で、美容市場の構造そのものが激変しました。

まず、市販シャンプーのクオリティが一気に向上したこと。

大手メーカーは研究開発費に桁違いの金額を投じ、
サロン専売品に匹敵する品質の製品を
スケールメリットを活かして適正価格で量産できるようになりました。

以前は「美容室専売だからこそ買う」価値がありましたが、
今は市販でも“髪に優しく、サロン級の手触り”のものが手に入ります。

実際、最近の市販品には、以前はサロン専売品でのみ見られた
アミノ酸系やPPT(ポリペプチド)系の高補修成分を主成分とするものが増えており、
一部の美容師が市販品を推奨するほどの進化を遂げています。
(出典:美容系メディアより)

そして、この変化を加速させたのがここ数年のインフレ。
原材料費や生活必需品の値上げが続くなかで、
消費者にとって「シャンプーにかける金額を少し見直そう」と考えるのは自然な流れです。

実際、私自身も家族用に買った市販品で
「これで十分いいな」と思うことが増え、
「コタじゃなきゃダメ」という理由が薄れていきました。

また、コスメ業界の巨人のコーセーなども、サロンシャンプーを上回る高価格帯でシャンプー業界に参入。

高品質な製品が次々に登場し、家計の圧迫も加わることで、
コタ製品が提供してきた「サロン専売品を選ぶ必然性」が
少しずつ失われていったように思います。

💬市販品なのに香りが控えめで泡立ちも良く、髪がしっとりまとまります。
我が家が実際に愛用しているシャンプーはこちら👇


💰還元の減少と、株主との距離感

もうひとつ感じていたのは、株主への還元姿勢の変化です。

かつては配当こそ控えめでも、
2024年まで続けていた株式分割など、
「誠実に株主を大事にしてくれている」と感じる瞬間が多くありました。

でも最近はそのような施策も減り、
代わりに目立ったのが 優待シャンプーの転売対策の徹底化。

具体的には、転売が確認された株主に対し、
優待に関する権利の停止期間を 翌年以降3年間 に延長するという、
厳しい措置を導入しています。
(出典:コタ株式会社株主還元ページより)

ブランドを守るための正しい判断だとは思います。
けれど、投資家の多くは“美意識よりもビジネス”で株を買います。

結果として、「投資妙味が薄れていった銘柄」から
資金が離れていくのは、自然な流れだと思います。


⚙️誠実ゆえに“守りすぎた”無借金経営

コタは今でも無借金経営の優良企業です。
派手さはないけれど、健全で堅実な財務を保っています。

ただ一方で、業界の構造が変わる中、
大手メーカーという現実的な脅威にどう立ち向かうのかという課題が大きい。

さらに、コタは美容室を通じてしか販売できない仕組み。
メーカー自身が販促や価格戦略を直接コントロールすることが難しいんですよね。

いくら良い製品を作っても、自社の力で広められないという
構造的な弱点 があるのです。

守りの経営には安心感があります。
けれど、「借りないこと」自体が目的化してしまうと、
販売チャネルの変革といった挑戦の機会を失う。

企業の誠実さの裏で、サロンシャンプー業界の将来性にリスクを感じてしまいました。


📉企業の沈黙と投資家の静かな離脱

これまでのコタは、高品質な株主優待と株式分割による現実的な還元で、
何も言わなくても株主がついてきた企業でした。

でも今のように成長の方向性が見えず、
企業側からの株価対策や発信も少ないと、
どうしても“投げやり”に見えてしまう瞬間があります。

たとえ今後、自己株式の取得などを行っても、
構造が変わらない限り、それは一時的な株価対策にすぎません。

市場は一瞬反応しても、結局は大きな波に抗うことはできないのではないか、と思ってしまう。
それでも持ち続けて会社に嫌なイメージが付く前に
私は「好きなうちに、手放そう」と思いました。


🪞好きで買った銘柄を、理性で手放すということ

結局、私が手放した理由はシンプルです。
このまま資金を置いておくよりも、
次の成長に向かう企業に託したい という気持ちが勝った。

それでも、コタという企業への敬意は今も変わりません。
誠実で、堅実で、嘘をつかない企業。
だからこそ、環境の変化に飲まれていく姿を、株主という身近な立場で見ていたくはありません。

もしかしたら、いつかまたサロン専売ブランドの価値が評価される時代が来るかもしれません。
でも今は、いったん距離を置いて、静かに見守る時期とします。


🌿おわりに

私にとって投資判断は、日々の暮らしの延長線上にあります。
生活の中で肌で感じたコタのビジネスの弱点と、
企業との付き合いで見えてきた構造的な課題を踏まえ、
残念ながら現時点では希望を見出すことが出来なくなってしまいました。

好きな企業への感情は残っても、
下がり続ける株価と資金の機会損失を我慢して持ち続けることはできませんでした。

それでも、コタのシャンプーを好きな気持ちは、今も変わりません。


🌈お金ちゃんたちの新しい旅

お金ちゃんたちは、新しい世界へ向かっています。

コタというお店での日々には、心から感謝しています。
素敵な場所で、幸せな時間を過ごしました。

でも、環境は変わりました。
壁は崩れ、巨人が入ってきました。

もう、安全地帯ではありませんでした。

お金の保育士として、子どもたち(お金ちゃん)を守るのが私の仕事です。
環境が変わったら、決断する。

それが、責任だと思っています。

あなたのお金ちゃんたちは、
今、どんな場所で暮らしていますか?

今日も読んでくださってありがとうございます☺️

生活の中で感じた“変化の兆し”を、投資の視点からも見つめ直す——
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こぱんだ🐼

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この記事を書いた人

yuru.copandaのアバター yuru.copanda お金の保育士

こんにちは、こぱんだです🐼

ズボラだけど、暮らしとお金を効率よく整えるのが大好きな、ゆるミニマリスト主婦です。
FP技能士3級を保有し、2級合格に向けて現在勉強中📝

“お金の保育士”として、一生困らないための資産形成を日々実験しています🧪✨
目指すのは、お金と時間に縛られない人生。

私は2019年から投資を始め、現在6年目。2000万円規模の資産形成を実践中です。
主に投資信託や高配当株を中心に運用していますが、個別株での失敗も経験し、その体験をもとに記事を書いています。

📝このブログで発信していること

・暮らしと投資をつなぐ考え方
・配当株や銘柄研究の実録
・資産形成とお金の効率化
・時間効率を上げる暮らしの工夫

などなど、リアルな暮らしとお金の記録を残しています。

派手なことはできないけれど、
未来の自分と家族のために、少しずつ「資産」を育てる。

そんな価値観に共感してくれる方とつながれたら嬉しいです☺️
更新は火曜日と木曜日です。またぜひ遊びに来てくださいね♪

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投資やお金の話は、すべて私自身の体験をもとに書いています。
もちろん、正解は人それぞれです。ぜひご自身の判断で参考にしていただけたらうれしいです☺️

こぱんだ🐼

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